講演: データアーティスト株式会社 代表取締役 山本 覚 様 : 最新情報(東京) – 異業種交流会501
◆ 会場 ピーアークホールディングス株式会社
セミナールーム
◆ 講師 データアーティスト株式会社
代表取締役社長 山本 覚 様
〈次第〉
18:30〜19:30 山本 様 講演
19:30〜19:50 池田会長 総括
20:00〜21:00 懇親会◆ゲスト講師◆
データアーティスト株式会社 代表取締役 山本 覚 様
http://doublel.co.jp/
東京大学博士課程在籍時に松尾豊准教授の研究室で人工知能を専攻。その後アイオイクス株式会社のLPO事業にプロダクトマネージャーとして参画し、導入社数450社超のLPOツール「DLPO」の全アルゴリズムを開発。データマイニングを用いたウェブページの改善実績150社以上。論理化されたものはシステムで処理し、人が人にしかできない営みに集中する環境を作ることを理念として、データアーティスト株式会社代表に就任。【主な業務内容】
マーケティングコンサルティング事業 ソフトウェア事業【事業ドメイン】
データドリブンマーケティング データドリブンLPOを中心としたマーケティングを実施。データに基づき意思決定することには、三つの利点がある。
(1)着実に効果が上がる
(2)マーケティング設計の精度が向上する
(3)リアルを含む他の領域に活用できる
【設立】 2013年6月21日 【資本金】5,000万円
【所在地】〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-46-3
【 テーマ】研究者から企業家へ人工知能でビジネスを変革する
<自己紹介>
最初は経営を思考していた訳ではなく、物理を先行していた。もう少しエンドユーザーに近いところで仕事をしたいと思い、人工知能の研究をするようになった。東京大学のイノベーション政策研究センターで研究していた。その後データアーティストを設立。現在は講演の機会をいただいたりと、広報活動を勢力的に行っている。
<会社紹介>
色んなクライアントから大きなデータを預かり、そこからの知見抽出と可視化を行うマーケティングソリューションを提供している。具体的には、Landing Page Optimizationというマーケティング領域。Web上で広告でお客をHPまで連れてきたとしても、着地したページが良くないと物を買ってもらえない。そのページを最適化するという事業を主事業としている。そのツールの領域で、2011年〜2014年の売上は1位。
<アイオイクス>
物理学専攻修士の時、デザイナーのバイトとして働いていたが、半年後に大きな事業方針の変更が有る。その際にアイオイクスの社長から、統計が得意だったら、LPOツールを使ってABテストをやってほしいと依頼があった。ABテストとはWebページに人がやってきた時に、ランダムにある方にはAのページを、ある方にはBのページを見せる。多く人が訪れた方を残す。当時はひたすらABテストをやっていた。
<東京大学大学院 技術経営戦略学専攻>
人によって欲しいものは違う。出し分けて比較するだけではなく、Webにはターゲティング技術があるという事が分かってきた。この時に物理の知識だけでは対応できないので、本格的な人工知能の勉強をするために、専攻を変えた。時間帯・キーワード・地域・回線によって属性が取れる。サイト内行動履歴に連動した商品バナーを表示すると入会申込のCVRを約20%改善した。データに基づき、人によって一番いいコミュニケーションをするのが大事だという事が分かった。丁度その時期にData Management Platformという言葉が出てきた。マーケティングに活用できる様々なデータが貯まっている。そこからデータを買い付け、人の嗜好性に合わせてコンテンツを出す。この方法が一番効果がある。
<アイオイクス プロダクトマネージャー>
マーケティングをやった事がなかったので、提案の部分が弱かった。どう強化すれば良いか考えた。誰に何を伝えるかが大事だと思い、ユーザーの興味関心を調査する事にした。その方法は、ユーザーがサイトに訪れた時に、感想をマイクで話してもらう。それによってユーザーの生の声を聞くことができる。神戸神奈川アイクリニック様を例にすると、最終的には6倍強の申し込み率になった。その後色々な所へ提案に行ったら、「御社じゃなくてもできますよね」と言われた。モニターがいれば誰でも出来ること。これでは強みがないと思ったので、原点に返ることにした。もう一度Data Management Platformの中を見直した。よくよくデータを見ていくとユーザーが普段検索しているキーワードが残っている。しかしこのままデータとして使うのは量が多すぎるので、頻度の高いものに絞ってグルーピングしてカテゴライズした。その結果、「ネットショップ無料開設サービス」サイトの会員登録率が約30%増えた。
<データアーティスト>
ある程度基盤ができ、アイオイクス社の社長から独立したらどうかという提案があった。2013年、データアーティストを設立した。2014年からは電通と共同ソリューションを作ろうという事になり、LPO以外のお客様からビックデータを預かってソリューションを作るようになった。最初はテレビに関するソリューション開発に取組んだ。LPOは元々、着地ページを良くするツールだったが、代理店様の協力によって、テレビの内容に応じてコンテンツを切り替えるというソリューションを作っている。また、商品の情報とその時のテレビの話題によって、一番売れるだろうと思われる商品を推薦する仕組みを作っている。その他には、複数の商品から一つの商品を選び出したり、一つの商品でもテレビの話題と連動させて一番いい紹介の仕方を選び取る事ができる仕組みを作った。
<最後に>
コトとモノの新しい結びつきはどうしたら出来るかという所に取組んでいる。最初は、LPOの情報を使って他のメディアで配信出来たらいいな、というすごく小さい領域での拡張しか考えていなかった。現在では、テレビの情報・タレント・POS・IOT系の情報が集まっていて、それがDLPOに入りつつある。それを考えた時にDLPOというネーミングはこのままでいいのかと思った。初心に帰り、論理プロセスを最適化し、それを超えた人間が中心になる→人間賛歌だと思った。それを英訳してみると、「Democracy over Logical Process Optimization」になる。企業理念の「論理をシステム化しひらめきに集中する」と一致すると思った。最初に働き始めた時に何もできないのに雇ってくれた方への感謝の気持ちや、今まで一緒にやってきた事を大事にできる経営者でありたいと思い、引き続きDLPOとして頑張っていく。
〜懇親会にて〜